散水露点飽和方式では、水を利用し、冷却コイルにて水を冷やします。エアワッシャで冷却と除加湿を同時に行い、所定温度まで再加熱するだけになります。エアワッシャにて得られた水分量により、温度と加湿の条件がうまくマッチングします。加湿器が不要となるため、電気設備容量が少なくてすみます。
一般的には、「直接膨張方式」と言われる、冷却と加熱・除湿と加湿のバランスをとる方法で空調します。つまり吸い込んだ空気は冷却コイルで冷却・除湿され、再加熱ヒーターで所定の温度まで加熱し、加湿器で加湿調湿を行います。このため、冷却コイルがとても冷やされその空気を再度加熱し、なおかつ加湿も行う、直接膨張方式は電気設備容量が大きくなります。
エアワッシャとは・・・ | エアワッシャは戦後間もないころまでは、空気の温湿度調整や空気清浄器や加湿器として利用されていました。最近では工場の大型外気処理装置や、排気処理用のスクラバーとして利用されています。 |
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加湿器を使用していないので、当然ですが、加湿器のメンテナンスが不要です。
いままで、恒温恒湿装置(直接膨張方式)では必ず、加湿器があり、沸騰した水の成分が固体化し、加湿器内部やヒーターについてしまい加湿器が使用できなくなることを経験された方もいらっしゃるのではないでしょうか?
散水露点飽和方式では、加湿器を使用しないため、加湿器のメンテナンス費用はかかりません。
具体的にどのくらいのランニングコストの削減につながるのか。
標準的な恒温恒湿室のモデルケースをもとにご案内いたします。
広 さ | W5,000×D4,000×H2,500(m/m) |
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熱 負 荷 | 1kw以内 |
温 度 | 23℃±1℃ |
湿 度 | 50%±2%(RH) |
人 員 | 2名 |
運転時間 | 1日に8時間運転して、年間250日稼働 |
電気料金 | 契約料金を15円/kw |
散水露点方式 | 直接膨張方式 | |||||
設備容量 | 稼働率 | 消費電力 | 設備容量 | 稼働率 | 消費電力 | |
冷凍機 | 3kw | 60% | 1.8kw | 3kw | 100% | 3kw |
再加熱ヒーター | 9kw | 60% | 5.4kw | 9kw | 70% | 6.3kw |
送風機 | 0.65kw | 100% | 0.65kw | 0.65kw | 100% | 0.65kw |
循環ポンプ | 0.25kw | 100% | 0.25kw | - | - | - |
加湿器 | - | - | - | 8kw | 50% | 4kw |
合計 | 12.9kw | - | 8.1kw | 20.7kw | - | 14.0kw |
電気料金 | 8.1(kw)×8(時間)× 250(日)×15(円) 年間電気料金 243,000円 |
14.0(kw)×8(時間)× 250(日)×15(円) 年間電気料金 420,000円 |